アルトマンイグニッションモジュール AMM-P2 の故障

altmann ignition sensor plate

症状
高速道路を走行中に突然エンジンが停止、再始動不能。リアシリンダー側のスパークプラグに火が飛ばない。
故障の原因
点火システム
経緯
エンジンが停止する少し前から以下のような症状が発生。
・3,000回転付近でエンジンの吹け上がりに引っかかりが生じる。もしくはそれ以上吹け上がらなくなる。
・回転数を落としてエンジンを落ち着かせると通常通り走行可能な状態に戻る。
・回転数を2,800回転程度までに抑えると支障無く継続して走行が可能。
使用している部品

カムポジションセンサー、イグニッションモジュール:Altmann Micro Machines

経過・コメント

ポイントカバー内のセンサーはエンジンの回転に合わせて反応するため異常箇所としてモジュールが疑われます。
原因を探るため Altmann 本人へメールで現状と故障の原因について車両の写真を添付して問い合わせました。
Mr. Altmann からは AMM-P2 のモジュール内でトランジスタが焼けてしまった可能性があると返答がありました。焼けたトランジスタは最低でも2, 3年臭いニオイを発するためモジュールを嗅いでみろと指示されました。車体にモジュールを取り付けた状態では屋外であったこともありいまいち分かりませんでしたが取り外して室内で嗅いでみると確かに不快なニオイを発しておりました。どうやらイグニッションモジュール内のトランジスタが破損してしまったようです。

altmann amm-p2 ignition module

イグニッションコイルで発生した高電圧の電流がモジュール側へ逆流したことが故障の原因だと思われます。
イグニッションモジュールのトランジスタは頑丈なため容易に壊れてしまうものではありませんが逆流する高電圧の電流にさらされ続けると焼けてしまいます。
車両の写真を見た Mr. Altmann からはプラグコードとイグニッションコイルへの配線との距離をもっと離すようにと指示がありました。もちろんプラグコードと配線が接触していたわけではありませんが最低でも両者の間に2, 3cm以上の距離を確保しておかなければならない、常に行き場を求めている高電圧のスパークは点火プラグ先端ではなくプラグコードとエンジンのシリンダーや時には配線に飛んでしまう恐れがあると忠告を受けました。

また同時に「ツインプラグ」は推奨していないとも言われました。第二のスパークプラグがプッシュロッド側に設置されているためプラグコードは2本のプッシュロッドカバーの間を通ることになります。
ツインプラグを推奨しない理由はプラグコードとプッシュロッドカバーとの隙間に電気的に安全な距離を確保することが出来ないためだとのことです。
またDynatek製コイルを使用してツインプラグを実現するのであれば各プラグコードの出力端子がエンジンを媒介して電流のループを形成しているため、仮に片方のシリンダーのプラグ1本が失火すると同シリンダーのもう一方のプラグにも火が飛ばなくなるリスクを承知しておいた方がよいとのことです。

dynatek green coil dual fire

Mr. Altmann の説明には納得させられる点も多々ありましたがエンジンの仕様を考えるとツインプラグからシングルプラグへ変更はしたくはなかったのでひとまずDynatek製DYNA2000iイグニッションモジュールを利用して修理を行うことにしました。Altmann製AMM-P2はモジュールボックスに設けられた3つのロータリースイッチを操作することで走行中においても点火マップ、レブリミッターを変更することが可能な点が魅力でした。機会があれば再び使用してみたいイグニッションシステムです。

dynatek dyna2000i

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