35mm ナローグライドフォーク スタビライザー

1986 fxrd narrow glide fork brace

しばらく前から興味を持っていた35mm ナローグライド用のフォークスタビライザーを製作することにしました。
19インチタイヤ用アルミ製フェンダーを入手することが出来たのでフェンダーサポート兼フォークスタビライザーを製作することにしました。

harley-davidson 35mm narrow fork brace

ナローグライドフォークは文字通り各部のクリアランスがそれほど多くはないため主要な部分には厚さ2.3mmのステンレス板を使用することにしました。

harley davidson narrow glide fork brace

ステンレス板の橋渡しをする棒にはアルミニウム合金を使用することにしました。

harley davidson narrow glide fork brace

削り出したアルミニウム合金の中央部分にそれぞれ穴を開けフェンダー固定用のスクリューを通すことが出来るようにします。

Harley Davidson 35mm narrow glide fork brace

しばらく前に手に入れたアルミ製のフェンダーです。おそらくYamaha SR400用だと思われます。19インチサイズのタイヤ用ですのでハーレーダビッドソンFXRモデルにも使用出来そうです。

1986 fxrd narrow glide fork brace

フェンダー中央部分に2箇所固定用スクリューを通すための穴を開けます。フェンダーにはSR400で使用されていた際に開けられた穴が残っております。これらは近い内に埋めようと思います。

1986 fxrd narrow glide fork brace

完成したフェンダーブラケット兼スタビライザーを車両FXRDへ取り付けました。一見したところ問題はなさそうです。取り付け用ブラケット、フェンダー、タイヤ間に必要十分なクリアランスがあります。

1986 fxrd narrow glide fork brace

1986 fxrd narrow glide fork brace

最後に試乗を実施し機能を確認しました。

車両を旋回させる時、わずかにフロントフォークの揺れが抑えられているように思えます。

機能や外観だけでなく耐久性について判断するにはある程度の時間が必要です。今後しばらく使用し経過を観察したいと思います。

harley davidson 1986 fxrd with fork brace

アルトマンイグニッションモジュール AMM-P2 の故障

altmann amm-p2 ignition module

altmann ignition sensor plate

症状
高速道路を走行中に突然エンジンが停止、再始動不能。リアシリンダー側のスパークプラグに火が飛ばない。
故障の原因
点火システム
経緯
エンジンが停止する少し前から以下のような症状が発生。
・3,000回転付近でエンジンの吹け上がりに引っかかりが生じる。もしくはそれ以上吹け上がらなくなる。
・回転数を落としてエンジンを落ち着かせると通常通り走行可能な状態に戻る。
・回転数を2,800回転程度までに抑えると支障無く継続して走行が可能。
使用している部品

カムポジションセンサー、イグニッションモジュール:Altmann Micro Machines

経過・コメント

ポイントカバー内のセンサーはエンジンの回転に合わせて反応するため異常箇所としてモジュールが疑われます。
原因を探るため Altmann 本人へメールで現状と故障の原因について車両の写真を添付して問い合わせました。
Mr. Altmann からは AMM-P2 のモジュール内でトランジスタが焼けてしまった可能性があると返答がありました。焼けたトランジスタは最低でも2, 3年臭いニオイを発するためモジュールを嗅いでみろと指示されました。車体にモジュールを取り付けた状態では屋外であったこともありいまいち分かりませんでしたが取り外して室内で嗅いでみると確かに不快なニオイを発しておりました。どうやらイグニッションモジュール内のトランジスタが破損してしまったようです。

altmann amm-p2 ignition module

イグニッションコイルで発生した高電圧の電流がモジュール側へ逆流したことが故障の原因だと思われます。
イグニッションモジュールのトランジスタは頑丈なため容易に壊れてしまうものではありませんが逆流する高電圧の電流にさらされ続けると焼けてしまいます。
車両の写真を見た Mr. Altmann からはプラグコードとイグニッションコイルへの配線との距離をもっと離すようにと指示がありました。もちろんプラグコードと配線が接触していたわけではありませんが最低でも両者の間に2, 3cm以上の距離を確保しておかなければならない、常に行き場を求めている高電圧のスパークは点火プラグ先端ではなくプラグコードとエンジンのシリンダーや時には配線に飛んでしまう恐れがあると忠告を受けました。

また同時に「ツインプラグ」は推奨していないとも言われました。第二のスパークプラグがプッシュロッド側に設置されているためプラグコードは2本のプッシュロッドカバーの間を通ることになります。
ツインプラグを推奨しない理由はプラグコードとプッシュロッドカバーとの隙間に電気的に安全な距離を確保することが出来ないためだとのことです。
またDynatek製コイルを使用してツインプラグを実現するのであれば各プラグコードの出力端子がエンジンを媒介して電流のループを形成しているため、仮に片方のシリンダーのプラグ1本が失火すると同シリンダーのもう一方のプラグにも火が飛ばなくなるリスクを承知しておいた方がよいとのことです。

dynatek green coil dual fire

Mr. Altmann の説明には納得させられる点も多々ありましたがエンジンの仕様を考えるとツインプラグからシングルプラグへ変更はしたくはなかったのでひとまずDynatek製DYNA2000iイグニッションモジュールを利用して修理を行うことにしました。Altmann製AMM-P2はモジュールボックスに設けられた3つのロータリースイッチを操作することで走行中においても点火マップ、レブリミッターを変更することが可能な点が魅力でした。機会があれば再び使用してみたいイグニッションシステムです。

dynatek dyna2000i

Where is “Big Twin High-Performance Guide Vol. 2” ?

Big Twin High Performance Guide

我々は多くの情報に囲まれておりますが本当に有用な情報というのは少ないものです。著者 D. William Denish 氏による文章は大変分かりやすいため内燃機について知りたいと思われている方、ハーレーダビッドソンのエンジンについての知識を増やしたいとお考えの方であれば一度読んでみる価値はあるのではないでしょうか。

現在入手可能な彼の著作は以下の3冊のようです。
・ V-twin Tuner’s Handbook vol.1
・ V-twin Tuner’s Handbook Vol.2
・ Big Twin High-Performance Guide Vol.1

Big Twin High Performance Guide

残念なことは “Big Twin High-Performance Guide Vol.2” を見つけることが出来ないことです。 “V-twin Tuner’s Handbook” の最後に “Big Twin High-Performance Guide Vol.2” は2000年に販売開始と書かれており、ISBN コードも記載されております。インターネット上のあらゆる箇所を探しましたが無駄でした。 出版社である Crystal Publications に連絡を取ろうと試みましたがこちらも失敗に終わりました。Crystal Publications はもう既に廃業してしまったようです。What happened to Crystal Publications and “Big Twin High Performance Guide Vol.2”?

著者の D. William Denish は “Big Twin High-Performance Guide Vol.1” の中でV-twin エンジンのボトムエンド(クランクやフライホイール)について述べると記しております。ボトムエンドがエンジン全体にどのような影響を与えているのかを説明した本や記述は目にすることが非常に少ないため是非とも彼の記事を読みたいと思いましたが “Big Twin High-Performance Guide Vol.2” を見つけることが出来ないのでは話になりません。

Big Twin High Performance Guide Vol.2
It says “Big Twin High Performance Guide Vol.2” will be available in 2000.

多くの人が吸気や排気、点火システムがどのような影響をエンジンのパフォーマンスに与えるかということについては説明できる、もしくは知っていることと思います。しかし、クランクケース内の部品がエンジンのパフォーマンスや耐久性に与える影響を説明出来る人は少数ではないでしょうか。 William Denish 氏は我々がハーレーのエンジンを含め内燃機に手を加える場合に知っておきべき事柄を多くの事例、グラフや表を用いて解説しております。

the contents of big twin high performance guide vol.1
His explanation is easy to understand.

ハーレーダビッドソンのエンジンをどのように改造すればパフォーマンスを上げることが出来るか、そのような内容を紹介する本は時としてパフォーマンスパーツのカタログのようなものになりがちですが彼の本はそれらのものとは異なります。部品を買い集め、積み上げるだけでは抜きん出たエンジンを作り上げることは不可能です。内燃機関の基本を学ぶことが重要ですが、まずはその第一歩としてこれらの書籍は最適ではないでしょうか。

Colorado Motorcycle Expo

fxrd at colorado motorcycle expo

コロラドモーターサイクルエキスポに展示された2台のFXRD

製作はデンバーのStrokers Custom Cycles

Strokers Custom Cycles (facebook)

Ultima 製127cui モーター、同じくUltima製 6速トランスミッションの搭載された車両(赤)には真鍮製フロアボードインサートフィッシュスケールタンクダッシュカバーが装着されているのが確認できます

青いFXRDにはTwinCamモーターが搭載されているのがわかります

Strokers Custom Cycles and Mr. Whiteley, thank you very much!

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